板倉大地
歩行者と自転車の衝突事故について、警察庁は過去5年分の発生状況を時期や時間帯別で初めて分析し、公表した。日の入り後の時間帯に自転車に衝突され歩行者が死亡するか重傷を負った事故は、10~12月が7~9月の3倍近くだった。
秋以降に日の入り時刻が早まり、夏より帰宅時間帯が暗くなるのが要因とみられる。警察庁は歩行者に反射材の着用を呼びかけている。
警察庁のまとめでは、昨年までの5年間に全国で、日の入り後1時間以内に自転車にぶつかられて歩行者が死亡・重傷となった事故は、10~12月に79件起き、7~9月の28件の2・8倍だった。日の入り前1時間では10~12月が35件で、7~9月の1・4倍だった。
警察庁によると、自転車による事故にあった歩行者は、7~9月と10~12月のいずれも、全員が反射材を身につけていなかった。警察庁は「反射材を着ければ、薄暮時間や夜間に車両側が歩行者に早く気づける」と利用を訴える。
道路を横断中の歩行者が車に衝突され死亡した事故も、日の入り後1時間は10~12月が254件で、7~9月の2・2倍だった。日の入り前1時間はほぼ同数だった。
日の入り後の1時間で事故にあった歩行者のうち、65歳以上の高齢者の割合は自転車による事故で約7割、車による事故で9割超だった。
国立天文台によると、日の入り時刻は東京の場合、昨年の7月が午後7時ごろ、10月が同5時前後、11月、12月が同4時台という。警察庁は自転車や車の運転者に、早めのライト点灯やハイビームの使用を呼びかけている。(板倉大地)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル